移動平均線の傾きがわかる『DAI_MA-AngleMaster』
「移動平均線の角度」がわかるインジケーターです。
目次
1.概要
移動平均線の角度を矢印で表します。
上昇や下落の強さをわかりやすく表示します。
利益が伸びやすいのは上位足の移動平均線に傾きがあるときです。
上位足のトレンドにそったトレードをすることが非常に重要です。
2.インジケーターの見方
5段階のサインで「傾きの大きさ」を表します。
・青…傾きが大きく右上がり(強い上昇)
・薄い青…傾きが小さく右上がり(弱い上昇)
・黄色…傾きがほとんどない(レンジ)
・マゼンタ…傾きが小さく右下がり(弱い下落)
・赤…傾きが大きく右下がり(強い下落)
サインの色や形は設定で変更できます。
角度の指定
デフォルトでは次の角度になっています。
・45度以上…強い上昇
・20~45度…弱い上昇
・-20~20度…レンジ
・-45~-20度…弱い下落
・-45度以下…強い下落
設定でどれくらいの傾きでサインを出すか変更できます。
3.仕組み
「移動平均線の傾き」が大きいほど、上昇や下落が強いことを利用しています。
指定した角度をこえたり、小さくなったりしたときに
サインを変えています。
4.使い方
エントリー判断や決済判断に使います。
例えば次のような使い方があります。
・角度が大きくなったときにエントリー準備をする
・レンジのときは見送り
・傾きが30~45度以上など、トレンドが強いときにトレードする
・上位足(4時間足、日足、週足など)の傾きが大きいときにトレードする
・移動平均線の傾きが弱まったときに決済を検討する
など。
5.大きな利益を出す方法
利幅を伸ばしたいとき、もっとも重要なことは
「上位足のトレンドにあわせること」です。
トレンドフォローの基本は上位足のトレンドにそった
下位足での押し目買いや戻り売りです。
スキャルピングであってもデイトレードであっても
スイングであっても同じです。
トレンドが続かない理由
トレンドが起きたと思ってエントリーしても、
利益が伸びなかったり、失速したりすることがあると思います。
1番の理由は「上位足のトレンドに逆らっていること」です。
完全に逆らっていなくとも、上位足のトレンドが弱まっていたり、
レンジ相場になっていたりすると、下位足では失速しやすくなります。
例えば1分足や5分足でスキャルピングの買いエントリーをするとき。
上位足である1時間足や4時間足の20MAが
しっかりと右上がりでなく、右下がりだったら。
エントリーしても失速したり逆行したり、トレンドが続かないことが多いです。
1分足や5分足で上昇していても、1時間足の移動平均線が右下がりであれば、
1時間足レベルでグランビルの法則がはたらき戻り売りが入りやすくなります。
上位足で戻り売りが入れば、下位足の上昇は続きにくいです。
仮に上昇しても、スムーズに上昇せず、上値がおさえられ
値動きが荒くなったり、急落したりすることがあります。
利益が伸びやすい相場とは?
大きく利益が出やすいのは、上位足のトレンドにあわせた場合です。
長期目線でトレードしている参加者も買いを入れてくるからです。
取引量が多くならないとレートは上がりませんので、
たくさんの人が買いを入れたくなるような
上位足の節目やトレンドを意識したトレードが大事です。
例えばスキャルピングで買いを狙うのであれば、
1時間足の移動平均線がしっかりと右肩上がりであることが重要です。
デイトレードであれば1時間足にくわえ、4時間足や日足が右肩上がりであれば
大きな値幅を狙ったトレードができます。
利益が伸びにくい相場
逆に上位足の移動平均線が右下がりだと、大きな利益が得にくいです。
また、1時間、4時間、日足の20MAの向きがばらばらだったりすると、
売り買い交錯でレンジ相場になりやすいです。
下位足で上昇しても、上位足に押さえられてしまい、
買いと売りの戦いになるためトレンドが続きにくくなります。
最終的には上位足の方向へと動きやすいです。
利益を伸ばしたい場合や勝率を高めたい場合は、
上位足の移動平均線の傾きにあわせてエントリーすることが重要です。
6.【参考】トレードに適した通貨ペアの選択
次のことに迷うことがあるかもしれません。
・どの通貨ペアをトレードしたらよいのか?
・買いと売りどちらを狙えばよいのか?
・どの時間軸でトレードしたらよいのか?
答えは簡単です。
上位足のトレンドがそろっていることが1つの目安になります。
具体的にはトレードする時間足の1つ上、2つ上の時間足まで
トレンドがそろっていることです。
3つ上の時間足までそろっていれば大きな値幅が期待できます。
3つの時間軸を考える
ダウ理論ではトレンドを3つに分類しています。
次の3つです。
・長期(主要トレンド)…例:月足(メインのトレンド)
・中期(訂正トレンド)…例:週足(月足の調整)
・短期(小トレンド)…例:日足(日々の値動き)
大きな主要トレンドがあり、その中で上下している中規模の波があり、
その中も小さな波で動いています。
移動平均線も短期・中期・長期で考えるのと同じように。
時間軸も短期・中期・長期と3つを考えると
トレンドにそったトレードができます。
長期トレードでは日足、週足、月足と考えるように。
1つずつ時間軸を落としていくと、次のように考えることができます。
矢印の流れは「短期→中期→長期」という流れです。
・日足 → 週足 → 月足
・4時間足 → 日足 → 週足
・1時間足 → 4時間足 → 日足
・15分足 → 1時間足 → 4時間
・1分足、5分足 → 15分足 → 1時間足
あくまで1つの考え方ですが、ある時間軸でトレードする場合、
上2つの時間軸とトレンドが一致しているときを狙います。
できれば3つ上の時間軸まで一致しているともっと良いです。
ここではトレードする時間足を短期の時間足にしています。
【トレード時間足(短期)】→中期→長期
次のように考えることもできます。
【トレード時間足】→短期→中期→長期
どちらにせよ、2つ上または3つ上の時間軸まで
トレンドがそろっていることが重要というのは変わりません。
トレンドが起きているという前提で3つの時間軸を考え、
短期の時間軸でトレードを検討する考え方です。
例えば、15分足でトレードする場合。
1つ上の1時間足、2つ上の4時間足のトレンドと一致しているとよいです。
【15分足(短期)でトレード】→1時間足(中期)→4時間足(長期)→日足→週足→月足
より確実に考えるなら次のように考えてもよいです。
【15分足でトレード】→1時間足(短期)→4時間足(中期)→日足(長期)→週足→月足
1分足や5分足の短い時間足でトレードする場合も、
最低でも1時間足、できれば4時間足、
大きな値幅を狙うなら日足までトレンドがそろっているとよいです。
ドルスキャFXは1分足でエントリーをしますが、
通貨強弱など重要条件を見ているのは15分足ですので、
最低でも1時間足のトレンドと一致している必要があります。
できれば4時間足や日足のトレンドと一致している方が
大きな値幅が狙えることは言うまでもありません。
確認方法
トレンドは移動平均線の傾きで判断します。
移動平均線は20MAがどちらを向いているか、
そしてレートが移動平均線の上にあるか下にあるかで判断します。
例えば上昇トレンドであれば20MAが右上がりになり、
レートが移動平均線の上にある状態です。
次のことを確認します。
・1分足や5分足のスキャルピング→15分足、1時間足のトレンドが一致しているか?
(4時間足、日足のMAが逆向きの場合、逆行しやすいので注意)
・5分足や15分足のデイトレード→1時間足、4時間足のトレンドが一致しているか?
(日足のMAが逆向きの場合、逆行しやすいので注意)
・1時間足のスイング→4時間足、日足のトレンドが一致しているか?
(週足のMAが逆向きの場合、逆行しやすいので注意)
など。
パーフェクトオーダーも考え方は同じです。
値幅が狙える通貨ペア
利益が伸びやすいのは複数の上位足のトレンドが一致しているときです。
例えば4時間足と日足のトレンドが一致していれば、
1時間足であっても、15分足であっても、5分足であっても、1分足であっても
利益を伸ばしやすいです。
逆に1分足でエントリーする場合、15分足と1時間足のトレンドがそろっていても、
4時間足は逆向きの場合があります。
トレードは可能ですが、失速するリスクも高まります。
2つ上の時間足までトレンドがそろっていたとしても、
3つ上の時間足のトレンドに逆らっている場合は、
早めの決済を考えるなど逆行リスクを頭に入れておくことが大事です。
移動平均線の傾きは前もって確認できますので、
トレードの前に、利益の伸びやすい通貨ペアを見つけておくことができます。
まれに移動平均線の傾きが逆向きであっても大きく動く場合がありますが。
たまたまですので、基本的には上位足の移動平均線の向きにそって
エントリーした方が安全です。
移動平均線の傾きは慣れれば見てすぐにわかると思いますが、
判断が難しい場合は今回のインジケーターを使うとよいです。
上位足の移動平均線に角度がある場合のみ、下位足でトレードするとよいです。
上位足のトレンドがいかに大事かがわかると思います。
7.通貨ペアの選択例
ある欧州時間の1時間足チャートです。
欧州時間ですのでユーロ、ポンドといった欧州通貨がよく動いています。
あくまで考え方の1つですが。
重要なことは上位足のトレンドが強いことです。
具体的にはトレードする時間足の2つ上の時間足までの
移動平均線に傾きがあることが重要です。
例えば1分足、5分足、15分足の短期トレードの場合。
1時間足、4時間足の20MAに傾きがあることが大事です。
1時間足、4時間足のチャートを直接確認するのが1番ですが、
簡易的に1時間足に4時間足の20MA相当の長期MAを表示させることもできます。
4時間足は1時間足の4倍ですから、80MAを表示させると、
4時間足の20MAに近くなります。
トレードに適した通貨ペアとは?
上位足のトレンドがそろっていることを確認します。
短期トレードの場合。
1時間足の20MAが直近で傾きを持っていることが1番重要です。
そしてもう1つ上の4時間足の20MA(1時間足で80MAに相当)に
傾きがあることが大事です。
短期、中期、長期の移動平均線(10,20,80MA)を表示させたら、
中期と長期が一致し、傾きが大きい状態です。
短期は5MAでもよいです。
5MAの場合、ほぼローソク足と同じ動きになります。
1時間足と4時間足の20MAに傾きがあれば、
1分足、5分足、15分足など下位足はいずれその方向へと動きやすいです。
このとき短期の向きはそろってなくても大丈夫です。
短期の移動平均線はローソク足にあわせて
上がったり下がったりし、押し目や戻りを作るからです。
もし、短期、中期、長期の移動平均線が全部そろっていれば
トレンドの最中ということですし。
短期だけ逆向きであれば、これからチャンスがくるかもしれないという
エントリーの準備をする段階になります。
3本ともそろってしまっている場合は、下位足はトレンドの真っ只中ですから、
トレンドが終わってしまうリスクもあります。
安全にいくなら、中期と長期だけそろっていて、
これからチャンスがきそうな通貨ペアの方が
トレンドにそなえることができて良い面もあります。
上記の画像でいえば次のようになります。
・ドル円は中期と長期が上昇、短期がこれから上昇しそうなので
買いチャンスがありそうな美味しい状態。(エントリー準備をする段階)
・ユーロドルは短期、中期、長期がそろって下落。
下降トレンドの最中。(売りのエントリーチャンスをさぐる段階)
・ユーロ円はユーロドルに比べると長期の傾きがゆるやかですが
直近では売りが強まっています。(売りのエントリーチャンスをさぐる段階)
など。
安全にいくならドル円のチャンスを待つこと。
すぐにトレードしたいならユーロドルやユーロ円の
エントリーチャンスをさぐることになります。
このように移動平均線の傾きを見るだけでもトレードは可能です。
くわえて通貨強弱も見れば、各通貨の関係性がわかり、
相場環境がより詳しく把握できるのでさらに精度の高いトレードができます。
まずはテクニカル分析で移動平均線やサポレジを見ながら
状態の良い通貨ペアを探すとよいです。
状態が良いとは、トレードする時間足より2つ上や3つ上の時間足まで
移動平均線の傾きが大きく、向きがそろっている通貨ペアのことです。
短期トレードであれば1分、5分、15分足でトレードしますので、
1時間足と4時間足の20MAに傾きがあり、向きがそろっていることが重要です。
8.移動平均線の種類による違い
注意点として、例えば単純移動平均線(SMA)と
指数平滑移動平均線(EMA)では反応速度が異なります。
EMAの方が直近を重視するため早くサインが変わりやすいです。
MAの期間やチャートの時間足が同じでも
サインの出方が異なることを頭に入れておく必要があります。
例えば短期トレードでは反応の早いEMAを使ったり、
長期足ではSMAを使ったり。
トレンド転換を早く知るために反応が早い方が良い場合もあれば、
利益を伸ばすために反応が遅い方が良い場合もあります。
どちらが良いというわけではなく、
トレード手法に合わせて使いわける必要があります。
9.オシレーターとの組合せ
MACDやオシレーター(ストキャス、RCIなど)と合わせてみると効果的です。
オシレーターの期間はデフォルト設定でもよいですし、
移動平均線の期間と合わせると判断しやすくなる場合があります。
例えば15分足で10、20、80EMAを使っている場合。
・MACDをデフォルトの12-26-9以外でも10-20-9や20-80-9とする
・RCIやストキャスティクスの期間を10や20にする
など。
ダウ理論をわかりやすく
期間を合わせるとローソク足の高値安値が把握しやすいので
ダウがわかりやすいというメリットがあります。
高値や安値はローソク足が山や谷を作るまでわかりません。
オシレーターを見ることで、山や谷ができかかっていることが早めにわかります。
例えば20EMAでトレンド判断をしているとしたら、
期間が20のRCIなどを入れると、山や谷がわかりやすくなります。
今回のインジケーターは相場の方向はわかりやすいですが、
あくまで移動平均線ですので反応が遅いというデメリットがあります。
デメリットを打ち消すような他のインジケーターと組み合わせるとよいです。
ダマシを減らす
トレンドフォローの場合、基本的には長期の移動平均線や
上位足の移動平均線の向きにトレードを検討しますが。
実際にエントリーする場合、移動平均線だけだと
判断が難しいこともあります。
移動平均線と期間を合わせたオシレーターも参考にすることで
相場の把握がしやすくなります。
期間は完全に一致させなくても、移動平均線と同じで、
短期、中期、長期と使い分けができていればよいと思います。
移動平均線とオシレーターの向きがそろったときに
トレードを検討すると騙しにあいにくくなります。
例えば20EMAをトレンド判断に用いたとしたら。
期間が20のRCIが天井に向かって上昇していれば
買いエントリーの根拠は高まります。
相場の状態によっては移動平均線に傾きがあっても
トレンドが弱まっていることもあります。
オシレーターなど他のインジケーターも見て
勢いがあるときにエントリーを心がけるとよいです。
10.トレンドマスターとの違い
今回のDAI_MA-AngleMasterはMAの傾きでトレンドを知る
『トレンドマスター』のパワーアップバージョンです。
次の指定ができるようになりました。
・移動平均線の種類 (例)SMAやEMA、LWMAなど
・角度の指定が可能 (例)45度以上を強いサインとするなど
・アラート、メール機能あり
以前は移動平均線の期間しか設定できなかったので使いやすくなりました。
11.設定
・MA_Period…移動平均線の期間(デフォルト:20)
・MA_Method…移動平均線の種類(デフォルト:SMA)
・AppliedPrice…計算に用いる価格(デフォルト:終値)
・Angle_UP_Strong…強い上昇の角度(デフォルト:45)
・Angle_UP_Weak…弱い上昇の角度(デフォルト:20)
・Angle_DOWN_Weak…弱い下落の角度(デフォルト:-20)
・Angle_DOWN_Strong…強い下落の角度(デフォルト:-45)
・Arrow_UP_Strong…強い上昇の矢印(デフォルト:225)
・Arrow_UP_Weak…弱い上昇の矢印(デフォルト:228)
・Arrow_Range…レンジの矢印(デフォルト:224)
・Arrown_DOWN_Weak…弱い下落の矢印(デフォルト:230)
・Arrow_DOWN_Strong…強い下落の矢印(デフォルト:226)
・Alert_UP_Strong…強い上昇アラートのオンオフ(デフォルト:false)
・Alert_DOWN_Strong…強い下落アラートのオンオフ(デフォルト:false)
・Alert_UP_Weak…弱い上昇アラートのオンオフ(デフォルト:false)
・Alert_DOWN_Weak…弱い下落アラートのオンオフ(デフォルト:false)
・Mail_UP_Strong…強い上昇メールのオンオフ(デフォルト:false)
・Mail_DOWN_Strong…強い下落メールのオンオフ(デフォルト:false)
・Mail_UP_Weak…弱い上昇メールのオンオフ(デフォルト:false)
・Mail_DOWN_Weak…弱い下落メールのオンオフ(デフォルト:false)
サインの形について
サインの形はこちらから選べます。
12.サブウインドウに表示バージョン
DAI_MA-AngleMaster(sub)はサブウインドウに表示するタイプです。
設定や使い方は同じです。
パーフェクトオーダー
エントリー判断の目安としてパーフェクトオーダーを
見ることもできます。
長期の移動平均線は傾きがゆるやかでもトレンドが強い場合がありますので、
どの程度の角度でトレンドが強まるのか、過去の値を参考にしながら、
サインが切り替わる数値を調整してもよいです。
13.マルチタイムフレームバージョン
DAI_MA-AngleMaster(sub)_MTFは時間足指定ができます。
例えば設定TimeFrameを60にすると、1時間足のサインを表示できます。
14.角度の確認
移動平均線の傾きはローソク足にマウスを持っていくと
データ・ウィンドウで確認できます。
サブウインドウ表示の場合は現在の角度が表示されます。
15.ラインバージョン
矢印がラインになったラインバージョン『DAI_MA-AngleMaster2』はこちら
まとめ
・移動平均線の傾きをわかりやすく表示
・エントリー判断や決済判断に使う
・移動平均線の欠点である反応の遅さは
オシレーターなど他のインジケーターを参考にするとよい
通貨ペア選びのポイント
・2つ上の時間足まで20MAの傾きが一致している通貨ペアを選ぶ
(例)ユーロドルは1時間足、4時間足の20MAが右下がり
レートがどちらも移動平均線の下にある
→15分足以下の下位足で売りを検討
・2つ上の時間足までトレンドがそろっていても
3つ上の時間足が逆向きのときは逆行リスクに注意する
(例)ポンド円は1時間足、4時間足が右下がりだが日足は右上がり
→日足レベルでの押し目買いで失速しやすいので気をつける
・1つ上の時間足までしか一致していないときは見送りか早めの決済
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