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「何でそんな真っ黒な恰好しとるん?」

おばあちゃんの家に遊びに行くと、
黒ずくめのおばあちゃんがいた。


「隣の竹下ばあちゃんが今朝救急車で運ばれた」

コタツに入ろうと布団に伸ばした手が
一瞬止まる。


竹下さんは僕が小さい頃お世話になった
学研のおばちゃんだった。

まぁ、今ではおばあちゃんだが。

夫婦で学研を配ってくれていたが、
おじいちゃんは何年か前に亡くなっていた。


「いつ亡くなってもいいように待っとるんや」


僕は驚いた。

隣のおばあちゃんとは仲がいい。

だったら、”普通は心配する”のではないか?


学研のおばあちゃんは前にも何度か入院していた。
そして、その度に元気になって戻ってきたはずだ。

 

部屋にはファンヒーターの「ゴー」という
低い音が響いていた。

テレビではニュースキャスターが
日本のどこかで起こった出来事を
真剣な顔で話していた。

コタツの上にみかんが1個だけ残っていた。

 

コタツに入り、隣に座るおばあちゃんを見た。

僕はわかってしまった。


遠くを見ているようで、何も見ていない
おばあちゃんのその目を見たとき、
僕はわかってしまったんだ。

 

『あぁ、じいちゃんが死んだときに、
ばあちゃんも死んでしまったのだと』

 

 

人生とは、どこかで”ロスタイム”に入るのだ。


平均寿命は、女性の方が長い。

近所ではおじいちゃんたちはほとんどが亡くなり、
生きているのはおばあちゃんたちばかりだ。

 


僕は、入院しても元気になって戻ってくることが
いいことだと思っていた。

だけど、それは違うと、
おばあちゃんの目を見たときにわかってしまった。


すでにエースが引退してしまった試合は、
おばあちゃんにとっては、
ただの消化試合だったのかもしれない。

 


3日後、学研のおばあちゃんは亡くなった。

 


その日、おばあちゃんの家の近くを車で通ると、
近所のおばあちゃんたちが、
曲がった腰で手押し車を押しながら集団で歩いていた。


「これが死というものか」


誰もいない、見晴らしのいい田舎のあぜ道を、
一列になっておばあちゃんたちが歩いていた。

 

僕は、それを横目で見ながら、
50メートルほど離れた舗装された広い国道を、
そのまま車で通りすぎた。


おばあちゃんは、今日もコタツで、
審判が笛を吹くのを静かに待っているのだろう。

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